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2020/3/15

[OVA-劇パト1展] 名古屋 開催記念!太田功巡査役・池水通洋さんトークイベントレポート公開!

レポート

2020年2月15日(土)、名古屋展の開催を記念して、太田功巡査役・池水通洋さんを招いてのトークイベントが行われました。アフレコ当時のあんなことやこんなこと、さらに、あのナレーションやあのセリフが生で聞けるかも!?とあっては、パトレイバーファンなら誰もが参加したいと思ったことでしょう……!

残念ながら、現場に駆け付けられなかったファンのために(もちろん、参加した方の思い出のためにも!)、レポートをお送りします!

トークイベントは、2部制で行われました。会場は、池水さんの登場を心待ちにするファンの皆さんでいっぱいです。

司会進行は、おなじみ、造形師の川端英揮さん。パトレイバーファンだけの幸せな空間に、池水さんが登場しました!

会場からは、割れんばかりの拍手が!

柔和な表情の池水さん。会場をぐるりと見まわして、どうもと挨拶を投げかけます。

池水(以下敬称略):30年前の作品のお客様ってどんな方がお見えになるかと思ったら、意外とお若いんですね(笑)。パトレイバーで長いこと太田功巡査役をやらせていただきました池水通洋です。今日はよろしくお願いします。

さらに大きな拍手が応えます。

――僕がパトレイバーのイベントで司会する時に、絶対ないとあかんやんって、必ずOVA版オープニングを流すんです。今日は、それを、生で!お願いしたいと思います。

会場の空気が、一気に期待と緊張で引き締まります。

『ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、あらゆる分野に進出した汎用人間型作業機械……、レイバー。』

おなじみの音楽に乗せて、池水さんの生ナレーションが響きます。息を詰め、鳥肌モノのそれを耳にしていたファンの皆さん。心なしか、ちょっと泣きそうな人も……?司会の川端さんも、リハーサルの際、目の前で実演していただき、涙腺が緩んだそう。

もちろん、会場は大きな拍手で応えます。

それを受けて、はにかむ池水さん。

詰めかけたファンの中には、20代30代の姿も!

もちろん、40代以上の存在感は圧倒的(笑)。

その後も、いわゆる“大きなお友達”垂涎のトークが繰り広げられていきます。

今となっては、太田功は池水さんの声以外考えられませんが、当時はオーディションなどはなかったそう。

池水:オーディションはなかったですね。録音監督の斯波重治さんが四ツ谷で会社をやっていまして。僕が四ツ谷の別のスタジオに行こうと思ったらバッタリ出会いましてね。池水さん!いいところで会ったと。来週から4週続く役があるんだけど、お願いしますねって。スタジオ行きましたらば、『うる星やつら』の温泉マーク先生って役だったんですよ。おもしろくしてありがとう、って評判がよくて。4週じゃなくてね、4、5年続いちゃったんですよね(笑)。

池水:その(温泉マーク先生の)体型がずんぐりむっくりで、固太りでね。そういった役柄が、太田功に共通してるってことで、配役されたんだと思うんですよ。

その後、斯波さんの『姫ちゃんのリボン』シリーズでも、ゴリ先生という、やっぱり似たような体型の役もやってね(笑)。(パトレイバーは)系統だったコメディの役柄が、私の持ち味になったという作品でしたね。

――池水さんが登場した瞬間の声のツカミがすごかった。ウッ!とかアッ!とか……、ずっと聞いていると、『仮面ライダー』シリーズも思わせるような。

池水:“変身もの”も私の役柄のひとつになっちゃいましたね。『仮面ライダー』では、ショッカーの親分をやらせていただいて。あんまりやる人がいなかったもんだから、月のうち1,2回やるようになって。当時は、主役の若い男女が変身して、超人になるという筋立てになっていたんですよ。その役者たちは、演技も下手だし声も弱くて、何回もトチるんです。こっちは声を潰して怪人やってるんですよ(笑)。何回も繰り返しやらないといけなくて……、「も~、僕がやるよ~」って言ってたら、本当にやるようになっちゃって(笑)。

『変身忍者 嵐』、『ファイヤーマン』、『ジャンボーグA』……とかね、週5本、レギュラーでずっとやってましたよ。

感嘆の溜息があちこちから漏れ聞こえてきます。

池水:撮影所って辺鄙なところにあって、遠いんですよ。そこへ朝早くから出かけていってね、「とぁーーっ!!!!」とか大声出してるもんだから、目の前に星が飛ぶような感じで(笑)。

「とぁーーっ!!!!」の声圧、さすがです!他に、『月光仮面』の実演も。客席は圧倒されっぱなしです。

池水:まあ、大変なことをやらされましたねえ(笑)。おかげでいろんな声を出すようになりました。

――いろんなヒーローがルーツになって、パトレイバーでは太田がヒーローっていう。太田がいなければ、ほぼ警察の話じゃないですもんね(笑)。

池水さん、含み笑いで頷きます。

――トリガーハッピーなところは危ないですけど(笑)。

会場は爆笑です。

――いろんなキャストの皆さん……、今となっては大御所の方々が集まっていたと思うんですが、思い出など聞かせてください。

池水:結構いいやつが多くてね。(古川)登志夫ちゃんなんかはね、年はちょっと若いんだけど、才能があって。作品の演出とかやるんですよ。脚本書いちゃうんですよ。自分で劇団も持ってね。僕も出演したことがあります。実に多彩な人で……、演技指導も上手で。俺はできないなって(笑)。いま青二プロダクションに一緒に所属してるんだけど、そこの俳優養成所「青二塾」の塾長をやってるんです。あんな才能があったらねえ……。

羨ましそうに眼を細める池水さん。なんだかあたたかい空気が流れます。

池水:(富永)みーなちゃんは年が全然違うのね。最初会った時なんかは小学生で。ほんと子どもの時から知ってるんだからねぇ。えらい歴史ですよねえ……。今では立派な女性になって、まだまだ活躍してますからね。

――活き活きとした野明の役柄は、「演じてない」って仰ってましたもんね。

池水:斯波さんは「お芝居してくれ」って言わないんですよ。「自然にやってくれればいい」って。絵に合わせればいいんで……、太田は他の役と違って、口が顔の半分もあるような(笑)。だから、自然にああいった声になっちゃう。別に作ってるわけじゃない。まんまやってる。

――アフレコ現場って、どんな雰囲気でしたか?切磋琢磨!のような……?

池水:そんなギラギラしてないね。慣れてる人たちばっかりだったから。大体ね、30分のものだったら2時間半から3時間くらいで録ってましたね。大林ちゃん(後藤隊長役・大林隆介さん)とか、二又(進士巡査役・二又一成さん)とは結構仲が良くて。神谷町のラーメン屋の2階で一緒にラーメン食べて、ビール飲んで。毎週お馴染み(笑)。

話題は、パトレイバーの人気について移ります。

――OVA、劇場版、TVアニメシリーズと進んでいって、ヒットの実感はありましたか?

池水:最初はわからないですよね。OVAが終わって、劇場版に行くって言われて、「当たったなあ!」と(笑)。

――太田は後ろ姿だけでしたが、実写版にも。

池水:実写版まで発展したもんね。ヒット作ですよ。これだけ、若い人にも。

――皆さん、パトレイバー沼にはまっていますもんね?

ファンの皆さん、全面同意の爆笑です。

池水:声優や俳優が入る「日本俳優連合」が毎年行っているチャリティイベントには、50代くらいの方からも応募があるんです。サインくださいって言われて、何て書きますか?って聞くと、”パトレイバー 太田功”でお願いします!って。いや~びっくりした、最初。そういう人がたくさんいるんですよ。パトレイバーの人気ってすごいなって。

――イベントで各所を回っていても、「私、パトレイバーを見て警官になりました」と言う方がたくさんいます。人の人生を左右するような……。実は私の子供の名前も”のあ”なんです。

司会の池端さん、急に熱が入ります。

――猫の名前がバドリナートと、アルフォンスで、犬の名前が、ゼロ。です。野明のコスプレイヤーの方と結婚しました。しかも、パトレイバーが縁で。

突然のカミングアウトに、会場は大盛り上がり!池水さんも驚きの表情です。

――野明のヘッドギアを作って、ワンダーフェスティバルで売ってまして。それを一番初めに買ってくれたお客さんと結婚しました(笑)。

まさにパトレイバーが繋いだ縁!思わぬ脱線話に、あちこちから笑いがこぼれます。きっと、同じような方がたくさんいるのではないでしょうか(笑)。

気を取り直して、劇場版の話へ。

――劇場版のアフレコって、専門用語が多かったり、OVAと全然違うじゃないですか。その難しさみたいなものはありましたか?

池水:台本を見てもわからないところがありましたね。コンピューター用語とか、あまり得意じゃないので。わからないってところで、真実味が出るんだね。押井さん(監督・押井守)の読みって深いなーと思ってね。これもひとつのテクニックだね。

池水:レイバーが、近未来にこういった役割をしていくって世界観がバッチリ作りこまれて、この作り方も見事だったね。斯波さんのキャスティングもさすが。隊長なんて、ああいういい加減そうな感じがね、大林ちゃんそのまま、あのまんまだよ(笑)。

――あのままでした(笑)。それぞれキャラクターが立ってますよね。野明一人、太田一人切り取っても、それだけで物語作れると思うんです。そういうところをTVアニメ版で膨らましていったと思うんですが。

そして話題はTVアニメ版へ。太田がお見合いをする名エピソード、『惑いの午後』について。

池水:昨日、復習して来ました(笑)。島本須美ちゃんがお見合いの相手役をやってくれました。

――画面上は美女と野獣ですから。

池水:野獣ってほどではないんじゃないか……。

――あれ(太田)、野獣じゃなかったら何になるんですか?

池水:ちょっと気性が激しいだけ(笑)。

池水さんの、太田への愛が感じられます。

池水:かわいかったね、太田が。夢中になって恋に溺れて、ウキウキして……。それが、ごめんなさいねって断られて。落ち込みようがかわいそうで(笑)。最後はお見合い相手の婚約者をレイバーで助けてね。かっこいい…!別れるときに、お辞儀にパッと敬礼で返して、そこに雪が降り積もってくる。よかったね……!!

――脚本は、なんと横手美智子さんのデビュー作なんですって。だから、ちょっと他の話と毛色が違うと。太田の男らしさを引き出した一番いいエピソードだと思います。もちろん、この後に、保険調査員のおばさんとの絡みとかありますけど(笑)。

池水:毎回違ったストーリーを、これでいこう!ってみんなでいろいろ作って……、それを押井さんがまとめ上げていくって、すごい作業だなって。絵の出来栄えなんて限りがないもんね。素晴らしいけど、大変な仕事だな。

――声優も、魂を込めて……、ですから、大変なご職業だと思います。太田の声を聞いていると、魂がこもっているというか、ずっと聞いていたいなと。客席からも、渋いな~かっこええな~って声が聞こえてきましたよ(笑)。

池水:絵をちゃんと作ってくれてるからね。本当にありがたいですよ。絵がない場合がありますからね(笑)。特に動きが激しいものは、絵がないとダメだね。

――太田は、口をがーっと開けたり、絵がないと難しそうですね(笑)。

池水:デカ口開けるのは、大きいか小さいかで喋り方全然変わりますからね!

楽しい時間も残りわずかに。池水さんから〆の一言をいただきます。

池水:パトレイバー、押井さん始めスタッフもまだまだやる気十分で、次の企画も考えてるんじゃないかと思うので。我々OBも、ぜひ参加出来たらいいなあ!と思っていますよ。皆さんも応援してください。よろしくお願いします!

客席からは、今日一番の拍手が!パトレイバーファンの強い総意を感じました。

さらに、リクエストに応えて名ゼリフを!

「現場においては、臨機応変っ!」

「往生せいやぁ!」

いただきました。感無量でございます。

その後、池水さんのじゃんけんコール(しかも声音を使い分けて!)に合わせて、サイン入りパンフレットを争奪!

※とてもなごやかな雰囲気でした。

最後には、写真撮影を解禁!

お手持ちのケータイやスマホで撮影いただき、SNSで拡散をしてもらいました!

TLで見かけた方も多いのではないでしょうか。チェックがまだの方は、ぜひ検索してみてください!

記念に、ファンの皆さんとパシャリ!

あっという間の45分、“パトレイバー充”をした皆さんの顔は、どこか夢見心地に見えました。

池水さん、ありがとうございました!!

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