機動警察パトレイバー 初期OVAシリーズ（アーリーデイズ）
第05話『二課の一番長い日（前編）』

　２月、凍てついた空気と上空を覆った灰色の雪雲が、家路をたどる人々の足どりを急がせる厳寒の東京。だが、第２小隊の若者たちは３日間の休暇を与えられ、久々に穏やかな日々を送っていた。そんな中、数日前から特車二課を監視する怪しげな男たちの影。それに気付いた後藤だけは、彼らの正体と目的を知るため休暇返上、特車二課に出勤していた。
　その頃、深夜の東北縦貫道で一台の大型トレーラーが検問を強行突破した。積載していたレイバーが機関砲を乱射、パトカーを粉砕！　なんと、そのレイバーには“陸上自衛隊”の文字が！　軍用レイバーが略奪された？　その翌日、後藤は整備班が徹夜でフルメンテナンスを行っているイングラム１号機を、わざわざ篠原重工の八王子工場へと送らせた。それは、昨夜の事件のきな臭さからくる直感的な判断でしかないのだが・・・。その後に入手した事件の情報で、後藤は最悪の事態を確信した。つまり、軍用レイバーを略奪逃走するのは、テロリストなどではないということだ。軍用レイバーの運搬には、多数の人員と手間が必要である。確かな組織をもたない日本のテロリストがそれを奪ったところで、リスクが大きすぎる。ならば一体誰が？・・・それは陸上自衛隊自身ではないのか。　
　後藤から話を聞かされ、大きな衝撃を受けた南雲。武力を有する者が秘密裡かつ実力で何かを起こそうとする時、その目的はひとつ・・・権力の奪取である。　　　　　　　　　　　　　　　　翌朝の東京は、夜半から降り続いた雪に埋まった。陸上自衛隊内に起こった反乱軍は、国会を始めとした重要拠点を次々に制圧してゆく。二課の本部も急襲されるが、後藤は地下に潜伏し、南雲と第１小隊は、夜中のうちに警視庁前に布陣していた。後藤、南雲共、旧式のアスカ96を改造したレイバー３機で反乱軍に勝てると思ってはいない。だが彼らが警視庁の盾として立ち、全国30万人の警察官が反乱軍に対抗する存在であることを明確化すれば、大きな抑止力となるのだ。
　一方、全国に散っていた第２小隊のメンバーたちも、各々厳戒態勢下の東京へと移動を開始。彼らを待っていたもの、それは“戦争”だった。

原作・キャラクター原案／ゆうきまさみ（ヘッドギア）（小学館／週刊少年サンデー連載）
原作・脚本／伊藤和典（ヘッドギア）
演出／澤井孝次
作画監督／黄瀬和哉
キャラクターデザイン／高田明美（ヘッドギア）
メカニックデザイン／出渕　裕（ヘッドギア）
監督／押井　守（ヘッドギア）
音楽／川井憲次
美術／小倉宏昌
カラーデザイン／池さゆり
原画／田皆和馬　西田亜沙子　からしまひろゆき　菅澤摩美佳　野田徳幸　尾柳恵美　川越勝美　きやすのりこ　黄瀬由里　置鮎美穂　藤井　満　伊藤弘司　光岡玲子　上宇部辰夫　日下岳史　津崎あゆみ　児玉健二　前田ゆ佳　渡辺和夫　伊藤尚住　松坂定俊　杉山博英　菊池康仁　細野誠司　真壁照夫　矢花　馨　伊藤　進　川井　透　長坂寛治　神原淳一　漆原　豊　御影池徹朗　後藤典子　小林直生　佐藤元朗　竹安　光　中尾有里　中西由美子　岩崎良明　安藤正彦　木村恒徳　藤田　正　洞内　瓦
仕上／京都アニメーション
八田陽子　足立健児　山本和美　八島儒子　和田恭子　富山正大　小山須磨子　林美奈子　岡村志乃　本田恵美子
動画検査／仙道　祝　小川瑞恵
色指定／井延恭子
仕上検査／吉岡由己
背景／村上律子　児島陽子　広尾　俊
メカニックデザイン協力／大畑晃一
撮影／スタジオぎゃろっぷ
小堤勝哉　荒川智志　小林　徹　風村久生　石塚美樹子
杉村重郎
編集／森田編集室　森田清次　坂本雅紀
特殊効果／村上正博
制作進行／内田哲夫
制作協力／Ｉ・Ｇ竜の子
石川光久
制作担当／半澤正幸
調整／桑原邦男
効果／伊藤道廣（Ｅ＆Ｍ）
録音／斯波重治
録音助手／浅梨なおこ
スタジオスタッフ／山田富二男　大芦茂樹（テクノサウンド）
スタジオ／オムニバスプロモーション
オープニングテーマ「未来派LOVERS」（ワーナーパイオニア）
作詞　冬杜花代子
作曲・編曲　田中公平
歌　笠原弘子
レコーディングディレクター／川瀬　朗
河田明裕
レコーディングエンジニア／皆川　茂
音楽プロデューサー／積　惟文
音楽制作／ワーナー・パイオニア
タイトル／マキ・プロ
フィルム／イーストマンコダック
リレコ現像／東京テレビセンター
現像／IMAGIKA
宣伝担当／沖　貴子
制作担当／浅沼　誠　千島　守
オープニングアニメーション／北久保弘之　ゆうきまさみ
プロデューサー／鵜之沢伸　真木太郎　久保　真
制作／スタジオディーン
製作／株式会社バンダイ　株式会社東北新社