機動警察パトレイバー 初期OVAシリーズ（アーリーデイズ）
第06話『二課の一番長い日（後編）』

　後手に回り、反乱軍のクーデター計画の決行を許してしまった後藤の反撃が開始される。しかし、反乱の首謀者・甲斐の切り札は、まだ別に存在していた。どうやら核を搭載した短距離巡航ミサイルを手にしているらしいのだ！
　この切り札を押さえない限り、後藤たちに勝ち目はない。甲斐がどこにそれを配備しているのか、後藤は必死に思案を巡らすが、その答は思いもかけない形で手に入ることとなった。なんと、野明の故郷・苫小牧を訪れていた遊馬が、偶然にもそこで甲斐を見かけていたのである。苫小牧と東京を結び、なおかつ巡航ミサイルのプラットフォームにふさわしいもの、それはフェリーしか存在しない。
　後藤は松井刑事の協力を得て、海上保安庁から情報を得ることに成功、予想通りフェリーが乗っ取られていることを知る。しかし、甲斐はここでも一枚上手であった。米軍から奪われたミサイルは１発にも関わらず、シージャックされたフェリーは２隻だったのだ。
　船上の甲斐と通信する後藤。だが甲斐は、すでに最後通達を出した以上、お前に勝ち目はないと語る。国会の解散、政党の禁止と憲法の無期限停止。こんな要求を政府が承諾するはずもない。やむを得ず後藤は、一か八かの賭けを行うことを決意するのであった。
　だが、奇襲を行うにしても、いまだどちらのフェリーのランチャーが本物なのかは不明のまま。そこで後藤は再び甲斐と通信して、その答を導きだそうとする。そんな後藤の思惑を読み取り、通信を切る甲斐。しかしわずかなやり取りから、後藤は「奴は自分の側にミサイルを置いている」と確信していた。
　協力を承諾した米海軍の原潜より射出され、見事にフェリー上に着地するひろみの操る空挺レイバー。同時に空中で待機していた野明のイングラムも突入を開始。それを見た甲斐は発射スイッチを押すが、一瞬の差でひろみはランチャーの破壊に成功していた。
　敗北を悟る甲斐。しかしその表情は、敗北者のものではなかった。「ふたりから始めてここまで準備するのに20年。生きてりゃ、もう１回ぐらいやれるさ」と呟くその顔には、戦うことへの喜びが満ちあふれてていた。

原作・キャラクター原案／ゆうきまさみ（ヘッドギア）（小学館／週刊少年サンデー連載）
原作・脚本／伊藤和典（ヘッドギア）
演出／板野一郎
作画監督／村田卓也
演出助手／西口俊則
キャラクターデザイン／高田明美（ヘッドギア）
メカニックデザイン／出渕　裕（ヘッドギア）
監督／押井　守（ヘッドギア）
音楽／川井憲次
美術／小倉宏昌
カラーデザイン／池さゆり
原画／友田大足　門上洋子　木村光雅　中平晴也　柳沼和良　渡辺律子　外川龍一郎　和田卓也
原画／スタジオウォンテッド
菊池まゆ子　山下　恒　有本和美　染谷明利　野中卓也　吉管　明　安藤　浩　柴崎康子　大隈孝晴　東出　太
仕上／スタジオトップガン
田中真紀　戸塚由紀子　古田春美　村田真紀　突富雅夢　村田えりこ　あぶかわやすゆき　田丸雅彦　斉藤広一
動画検査／渡辺律子
色指定／池さゆり
背景／村上律子　児島陽子　広尾　俊
撮影／スタジオぎゃろっぷ
枝光弘明　佐藤照英　赤沢賢二　西山城作
杉村重郎
編集／森田編集室　森田清次
坂本雅紀
メカニックデザイン協力／大畑晃一
特殊効果／朝沼清良
制作進行／うらのひろあき
制作協力／Ｄ・Ａ・Ｓ・Ｔ
宮下研史
制作担当／半澤正幸
調整／桑原邦男
効果／伊藤道廣（Ｅ＆Ｍ）
録音／斯波重治
録音助手／浅梨なおこ
スタジオスタッフ／山田富二男　大芦茂樹（テクノサウンド）
スタジオ／オムニバスプロモーション
オープニングテーマ「未来派LOVERS」（ワーナーパイオニア）
作詞　冬杜花代子
作曲・編曲　田中公平
歌　笠原弘子
レコーディングディレクター／川瀬　朗
河田明裕
レコーディングエンジニア／皆川　茂
音楽プロデューサー／積　惟文
音楽制作／ワーナー・パイオニア
タイトル／マキ・プロ
フィルム／イーストマンコダック
リレコ現像／東京テレビセンター
現像／IMAGICA
宣伝担当／沖　貴子
制作担当／浅沼　誠　千島　守
オープニングアニメーション／北久保弘之　ゆうきまさみ
プロデューサー／鵜之沢伸　真木太郎　久保　真
制作／スタジオディーン
製作／株式会社バンダイ　株式会社東北新社