機動警察パトレイバー NEW OVA
第08話『火の七日間』

　“火の七日間”と呼ばれた特車二課整備班を襲った一大事件は、若い整備班員たちが密かに貯め込んだ大量のエロ本やアダルトビデオを班長の榊が発見し、没収したことから始まった。彼らの前でその没収物を燃やし、さらにはゲーム、干物の製作、仕事中の私語までをも禁じる榊。現代の焚書坑儒とも呼ぶべき制裁。職住一体の生活を営み、ほとんどプライバシーの存在しない二課の若者たちに、深く怨嗟の想いを刻むものでもあった。
　シゲは若者たちの憤りを解ってもらうため、上海亭にて榊と一席を設ける。しかし、「俺たちの仕事は機械に血を通わせることだ。俺の後を継ぐお前なら、皆にそれを教えることができる」という榊の言葉に、逆に酔いしれてしまった。“上海亭の裏切り”と呼ばれたこの会談以後、ゲシュタポのごとく班員たちの統制に乗り出すシゲ。榊を恨む若者たちは、怨念のすべてをシゲに向けて抵抗組織を結成し、日夜闘争が続いていた。
　しかし、ささやかな娯楽の追求以外はこれといった目的を持たない若き整備員たちは、数日の間に闘争方針を巡って分裂し、ついには相互間でテロの応酬が始まるという目茶苦茶な事態を発生させた。
　異様な雰囲気に包まれる特車二課。ただ、整備班の機能にさしたる支障がなかったことは謎ではあるが、見かねた後藤が榊の自宅に訪れ、事態の収束を願い出る。
　その翌日、テロと粛清に明け暮れるシゲと班員たちに対し、榊の怒鳴り声が炸裂した。榊への絶対的な恐怖心から、争いの元凶が榊であることも忘れて、一瞬にして元の関係を取り戻す整備班員たち。かくして二課を揺るがした闘争の日々は、うやむやのうちに終わりを告げた。

原作／ヘッドギア
週刊少年サンデー連載中／ゆうきまさみ
シリーズ構成／伊藤和典
キャラクター・デザイン／高田明美
メカニック・デザイン／出渕裕・佐山善則
監督／吉永尚之
音楽／川井憲次
脚本／押井守
演出／浦田保則
絵コンテ／青木康直
タイトル／マキ・プロ
作画監督／山田きさらか
原画／土器手司　伊藤浩二　広田麻由美
アイジー・タツノコ
岡田和久　石井明治
スタジオ・マーク
中西修史　松田宗一郎
林伸昌　永田正美
平島照美
動画チェック／富岡美穂
動画／スタジオ・マーク　東早苗　浦越順一郎　本谷健二 前原隆利　城所妙己子　中司まきこ
美術監督／渋谷幸弘
背景／石垣プロダクション　高橋賢伍　桑原悟　大磯恭子　谷川弘行　羽柴正俊　大嶺靖
スタジオ・キャッツ
色彩／エムアイ　中山昇　森泉順子　佐藤美由紀　三上和廣　福岡世樹子　新里美千代　北山晶子　APS MAC
色指定／小川さよ子
撮影監督／奥井敦
撮影／旭プロダクション　梅田俊之　藤倉修二　榊原広　松澤浩之
特殊効果／干場豊（マリックス）
効果／伊藤道廣（Ｅ＆Ｍ）
現像／東京現像所
録音演出／浅梨なおこ
調整／山田富二男
録音制作／オムニバスプロモーション
録音スタジオ／ニュージャパンスタジオ　東京テレビセンター
編集／鶴渕友彰（鶴渕映画）
広報担当／飯島佐知子　小山仁一郎（バンダイ）　佐藤尚樹（東北新社）
制作デスク／杉田　敦（バンダイ）　明石　渉（東北新社）
制作担当／山本之文
文芸助手／高橋哲子
設定制作／伊藤裕之
制作進行／斉藤正志
プロデューサー／鵜之沢伸（バンダイ）　濱渡　剛（東北新社）　指田英司（サンライズ）
製作協力／サンライズ
製作／バンダイ　東北新社