機動警察パトレイバー NEW OVA
第10話『その名はアムネジア』

　燃え盛る都庁舎を背に、遊馬たちを次々と射殺する太田。飛び交う悲鳴、そして自らの怒号。・・・進士の家で酒盛りをし、頭を打って意識を失った太田が悪夢にうなされ、今、目がさめた。夢でよかったと、ホッと胸を撫で下ろしたときに握りしめていた拳銃を見て、その安堵は恐怖に変貌した。悲鳴とともに飛び起き、太田が見たものは、夢の中と同じように射殺された４つの死体。太田は無意識のうちに外へ飛び出して逃走を図るが、それと入れ違いに進士の妻・多美子が帰宅し、部屋の惨状を見てすぐに警察へ通報した。
　あてもなく街をさまよう太田は、飛び起きたときに頭を打ったショックで自分が誰かという記憶すらなくしていた。食料を買いに立ち寄ったコンビニの店員“冷やしたぬきの政”から、彼が正義感に燃えた熱血暴力警官だったことを教えられ、自分の素性と所業の合致に恐怖した。
　追われる者の辛さを、身をもって知ることになってしまった太田。だが、工事現場に置かれた作業用の＜アスカ95＞を目にしたとき、彼の心の中に熱いものが沸き返る。その時、目前で爆発事故が発生し、炎の中に作業員が残されてしまった。太田は＜アスカ＞に飛び乗り、単身で救助に赴く。しかし努力虚しく＜アスカ＞は鉄骨に押しつぶされ、太田も操縦席で気を失ってしまった。
　二課の要員に保護され、病室で眠りにつく太田。だが、その外には死んだはずの遊馬たちの姿があった。進士宅での惨劇は、乱暴な太田に教訓を与えようとした、彼らの企てだったのである。ただ、遊馬らにとっての誤算は、太田が一時的な記憶喪失に陥ってしまったことと、多美子が驚いて警察に電話してしまったことであった。話を聞いてあきれる熊耳。そのとき太田の意識が回復し、怒りの叫び声によって、一同は彼が完全に記憶を取り戻したことを知るのだった。

原作／ヘッドギア
週刊少年サンデー連載中／ゆうきまさみ
シリーズ構成／伊藤和典
キャラクター・デザイン／高田明美
メカニック・デザイン／出渕裕・佐山善則
監督／吉永尚之
美術監督／渋谷幸弘
音楽／川井憲次
脚本／押井　守
演出／原田奈奈
絵コンテ／吉永尚之
タイトル／マキ・プロ
作画監督／山田きさらか
原画／伊藤浩二　広田麻由美　中西修史　南伸一郎
動画チェック／富岡美穂
動画／スタジオマーク　浦越順一郎　前原隆利　本谷健二　東早苗　城所妙巳子　中司まきこ　植松かおる
背景／石垣プロダクション　高橋賢伍　桑原悟　大磯恭子　羽柴正俊　スタジオキャッツ
彩色／エムアイ　中山昇　森泉順子　佐藤美由紀　三上和廣　福岡世樹子　新里美千代　北山晶子　APS MAC
色指定／小川さよ子
撮影監督／奥井敦
撮影／旭プロダクション　梅田俊之　藤倉修二　榊原広　松澤浩之
特殊効果／干場豊（マリックス）
効果／伊藤道廣（Ｅ＆Ｍ）
現像／東京現像所
録音演出／浅梨なおこ
調整／山田富二男
録音制作／オムニバスプロモーション
録音／ニュージャパンスタジオ　東京テレビセンター
編集／鶴渕友彰（鶴渕映画）
広報担当／飯島佐知子　小山仁一郎（バンダイ）　佐藤尚樹（東北新社）
制作デスク／杉田敦（バンダイ）　明石渉（東北新社）
制作担当／山本之文
文芸助手／高橋哲子
演出助手／菱川直樹　原田奈奈
制作進行／村田　央
プロデューサー／鵜之沢伸（バンダイ）　濱渡剛（東北新社）　指田英司（サンライズ）
製作協力／サンライズ
製作／バンダイ　東北新社