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レポート 2020/1/10

『機動警察パトレイバー the Movie』30th記念上映会&トークイベント レポート公開!

12月28日(土)、年末の風物詩・コミケが開催され賑わうお台場で、『機動警察パトレイバー the Movie』30th記念上映会&トークイベントが行われました。大いに盛り上がったトークショーを中心に、レポートをお送りいたします!

会場は、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場。最大規模のスクリーンにもかかわらず、チケットは完売御礼!オールドファンはもちろん、若いファンの姿も目立ちました。

今回上映されたのは、劇場では(おそらく)初上映となる、サウンドリニューアル版の『機動警察パトレイバー the Movie』。30年の時を経てなお色褪せない100分は、大迫力の音響効果も加わり、さらにファンの皆さんを惹きつけます。

余韻に包まれた会場に、機動警察パトレイバー広報課・鈴木咲さんが、なんと香貫花コスチュームで登場!いつも元気&キュートな印象の鈴木さんですが、凛としたスタイルがとてもお似合いでした。

年末のお忙しい中、お集まりくださったファンの皆さん。

一体どんな“暴走トーク”が聞けるのか、期待は膨らみます。

鈴木さんの軽やかな口上に応じて、監督の押井守さん、脚本の伊藤和典さん、プロデューサー鵜之澤伸さん、真木太郎さんが、会場後方よりサプライズ登壇!にわかに客席が沸き立ちます。

パトレイバーファンにとっては、もはや説明不要の面々。一応の自己紹介と併せて、イベントの感想を語っていただきました。

監督・押井守氏

押井「監督の押井です。30年も前のアニメ映画のために、忙しい年末に多数お集りいただき、本当に感謝してます。感謝感激であります。いつも言っていますが、監督というのは、自分の作品がスクリーンにかかってそれを見に来てくれるお客さんがいるということが一番幸せです。時間は短いですが、昔のことをなんとか思い出しながらいろんな話を出来たらと思います。」

脚本・伊藤和典氏

伊藤「復刻版のパンフレットの写真とは別人のようになってしまいましたが、間違いなく本人です(笑)。脚本の伊藤です。これだけの箱が満席になったというのが驚きで、30年も前の作品なのに、いまだに愛されていて、なんて幸せな作品なんだろうと。今日はありがとうございました。」

プロデューサー・鵜之澤伸氏

鵜之澤「当時はビジネスプロデューサーとして暴走して、いろんな人にご迷惑かけた主犯で、悪役です(笑)。30年も経って、こうして大きなスクリーンで、こんなに多くのお客さんに見てもらえて、悪役をやってよかったなと思います。非常に幸せです。本日はよろしくお願いします。」

プロデューサー・真木太郎氏

真木「僕は当時東北新社という会社で鵜ノ沢さんと一緒にこの映画を作っていました。暴走トークって、なんで暴走するかって言うと、もうみんなジイさんになっちゃって、記憶があいまいで、かつ自分が言っていることが正しいという人ばっかりですから、多分真実は……、あるのかもしれないし、みんな覚えてないのかもしれない(笑)。暴露話が出るといいな、と思います。」

真木さんの言葉を受けて、客席からは大きな拍手が!

ここから、あやしい記憶の対立が始まります……。

まずは、スクリーン上映初となるサウンドリニューアル版について。

押井「当時ちょっとしたブームになっていたサウンドリニューアル版をやってみない?という話になって。パト2(機動警察パトレイバー 2 the Movie)の前くらいかな……。」

真木「もっと後ですよ。押井さん、もう記憶がヤバイ(笑)。」

会場は、早くも爆笑の渦に!

ゆるい雰囲気のまま、お互いの記憶を正しながら話は進みます。

押井「結構みんなが思っているより、時間とお金がかかっているんですよ。実はアフレコもほとんど全部やり直している。電話の声とか、無線の声とか……、確か、レギュラーの一部も撮り直してる。」

公開当時、お天気お姉さんを担当していたのは、まだ若手声優だった林原めぐみさん。サウンドリニューアル版の作成にあたり、「ここでは言えない数字(by押井)」がかかることになったそう。全部立ち会ったはずなのに、現場のことを何も覚えていないほどに、当時の現場は大変だったそうです。

押井「当時の話どこかろか、去年の話もあやしくなってきた(笑)。」

会場は再び爆笑です。

パッケージ用に作られたサウンドリニューアル版は、“おそらく”劇場上映初とのこと。

真木「じゃあ初ってことにしましょうね!」

初上映、お立合いくださいましてありがとうございました!

続いての話題は、OVAからTVアニメシリーズではなく、なぜ劇場版を作ることになったのかについて。瞬時に伊藤さんが鵜ノ澤さんを指差します。

鵜ノ澤「皆さんご存知かとは思いますが、もともとパトレイバーは、TVアニメシリーズをやりたいとHEADGEARの面々から言われていた企画で。いつかやるために、パイロットフィルムの長い版みたいな感じで、最初のOVAを6本作ったんです。で、当たったわけですよ。ここにきている皆様が買ってくださったおかげで!」

ありがとうございます!

鵜ノ澤「よし、実績がついた!これでTVアニメシリーズいける!と思って話したら、TVなんかやらないと(押井を指差し)。スタッフがボロボロになっちゃうんで、その前に劇場版をやりたいと言われて……。僕はそういう記憶なんですよ。」

伊藤&真木「ちょっと違うな。」

ここでも食い違ってきました(笑)。

印税を支払うために劇場版を作ることになった説、一発でかい花火を上げて終わろう説等々……。いろいろな思惑やオカネの絡んだ大人の話が続きます。

伊藤「劇場版が終わった後に、お前らTVがやりたかったんだろ、決めてきたぜ、って鵜ノ澤が。」

真木「いや終わる前だよ。劇場版を作ってる途中!」

伊藤「HEADGEAR全員で、今じゃねえだろ!って。」

なんと、10月放映開始が5月に決まるという鬼のようなスケジュールだったそうです。出来るわけないだろ!と、押井さんをはじめとして関係者からは猛反発!当時の自分たちはおかしかったと懐古します。TVアニメシリーズでは、伊藤さんはもちろん、監督をパスした押井さんも“うまい・はやい・やすい”(by鵜ノ澤)の脚本でアニメシリーズに参加しました。

押井「そもそもこの映画はとにかく予算が少なくて、今見るとよく出来たなって思うんだけど……。思い出した!松井のラインがなぜ必要だったか。静かなサスペンスなシーンで、尺稼がなくちゃって。活劇だけだと、絶対に間に合わないから(笑)。」

作品を〆るという大事なシーンに、まさかの切実な背景が!会場からは、ひと際大きな笑い声が上がりました。

押井「東京中をロケハンしているうちに、自分もその気になっちゃったの。映画好きは絶対こっちの方が面白いなって。『三つの誓い」のことは、始まったら全部忘れちゃってたから(笑)。」

伊藤「帆場はいなかったことにしていい?って言われたとき、絶対ダメ!って。たぶんね、そっちの方が、映画の次元としてはひとつ繰り上がるんだけど。最後の音楽を聴いて、気持ちよく映画館を出て欲しいから。」

押井さんの中では、箱舟がひっくり返ったシーンで終わる予定だったそう。

押井「この作品、びっくりするくらい枚数使ってないのよ。2コマでやるべきところを1コマで描いていたり、枚数が多いシーンも、ある。でも、まったく動いてないシーンも、いっぱいある(笑)。今見て気づいたけど、松井のラインは動かしすぎちゃったなと……、当時は若かったから。」

制作スタッフは20代後半がほとんどだったから踏ん張りがきいたと押井さんは述懐します。

押井「30年前の作品だから、ずいぶん無駄なことやってるなってところが見えて。ちょっと脂汗が流れました。恥ずかしかった。」

伊藤「同じく。」

鵜ノ澤「僕は……。儲かりましたからね(笑)。」

オチはいつも、悪役・鵜ノ澤さんです。

そんな鵜ノ澤さん、『100万本売れたらハワイに連れて行くぞ!』と豪語していたようで、今でも毎年年賀状に書かれるそうです。ハワイ行きへは、今でも意外と(!?)乗り気な面々。次回作の時にぜひ、という話に。ぜひその様子を、うのちゃんねるなどで流していただきたいですね!

話題は少し(?)脱線して、実写版パトレイバーについて。

伊藤「前にも言ったことあるんだけど。なんでキャラクターの名前がパチ物みたいなの?」

押井「それはあちことで言ったんだけど、アニメと同じキャラクターでやる気は最初からなくて。今さらまったく違うにしちゃうと、全然締まらない。伊藤くんのネーミングセンスは天才的なんだけど、私はその逆なのよ、ネーミングセンスゼロ。だから、私が名前を決めるとロクなことがないわけ(笑)。」

これまで、鵜ノ澤さんにはほとんどのタイトル名を覆されてきたそう。それ以外にも、押井映画のタイトルは、ほぼ自分ではつけていない(!)とのこと。

最後に、感想をお一人ずつ語っていただきました。

真木「本当はもっと暴露話をするつもりで、楽屋では盛り上がったのですが、なぜかみんな大人になっちゃったのかなって。でも、みんなの記憶が違うっていうのは、本当に面白かったね。全然違ってね(笑)。」

鵜ノ澤「いまだにみんな、自分が正しいと思っている(笑)。定年過ぎて、こんなに大きな場所でたくさんのお客さんの前で話している自分は、やっぱりいい人生送ったなと。勝ち逃げみたいな感じですよね(笑)。」

伊藤「さっきちょっと話したんですけど、実写映画があったおかげで、それまでまったく疎遠になっていた押井守さん以外のHEADGEARのメンバーが再結集することになりまして……、パトレイバーって本当はこうなんじゃないの?と、実写版へのアンサーになるようなものを今作っておりますので、お楽しみに!」

押井「私が勝手に作った実写版が、まったく気に入らないぞと(笑)。パトレイバーが見たい!って人間がいることに関して、事を始めた人間は応えるべきだと私は思っていて。私は私の答えを出した。あとは4人がどういう答えを出すのか、お手並み拝見。」

最後に大きな爆弾発言が飛び出し、会場からは、割れんばかりの拍手が長く続きました。

当初予定のなかったフォトセッションでしたが、真木さんの一言により急遽実施!

滅多に見ることの出来ない貴重な4ショット。シャッター音が響きます。あっという間の30分でした!

ご登壇頂いた皆さん、貴重なお話、ありがとうございました!

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